2024年12月23日月曜日

国立西洋美術館 「モネ 睡蓮のとき」を鑑賞して

 エリーです。12月13日金曜日の午後から、上野の国立西洋美術館の「モネ 睡蓮のとき」の絵画鑑賞に行きました。今回は、その中で印象に残った絵画をご紹介したいと思います。

 まず、国立西洋美術館に向かって歩いて行くと、モネの絵の大きな看板があったので写真に撮りました。


 下の写真は国立西洋美術館の入り口の看板です。


 私は障害者手帳を持っているので、いつも通り無料ですぐ中に入れました。普通に入ると2300円もするので、障害者手帳を忘れなくて良かったと思います。


 中に入って最初にきれいだと思ったのは、6番の「ジヴェルニー近くのセーヌ河支流、日の出」という作品です。朝霧の中の川辺で、樹木がセーヌ河に映っています。幻想的で美しい光景です。全体的に淡い色彩でした。「これ好きだなあ。」と言って、立ち止まって見ている人が多かったです。

 今回はこの絵の写真を撮っていないので、インターネットで「ジヴェルニー近くのセーヌ河支流、日の出」と検索してみて下さいね。でも、実際に美術館に行ってみないとこの絵の良さが分からないので、美術館に行ってみることをお勧めします。


 次に8番の「セーヌ河の朝」という作品を見ました。川のそばに樹木があり、その樹木の緑色が川に映っています。この作品は、一つの絵の中にいろんな緑色があります。特に光の当たっている黄緑の部分が明るくて印象的です。構図も素敵ですし、光の当たり方の表現が良いと思いました。

 よく見ると、6番の「ジヴェルニー近くのセーヌ河支流、日の出」という作品と同じ場所かも知れません。それと同じ構図で、朝霧が晴れた後の絵のような気がします。この絵の方が朝霧のもやっとした感じがなくなり、深緑色の葉がはっきりしています。

「セーヌ河の朝」の絵はがきです。


 「藤」という作品は左右2枚並んでいました。最初見た時は右の絵の方が好きかなと思ったのですが、左の絵の方は少し遠くから見るときれいに感じました。淡いピンクの色彩が良かったです。


 36番の「睡蓮」は水面に空の雲が映っていて、作品が明るい感じに見えます。作品全体の色がきれいで、特に睡蓮のピンク色が印象に残っています。睡蓮の小さい花の中にもピンク色のグラデーションがあって美しいのです。

 この作品は、白い雲が描かれているために睡蓮のピンク色がより映えています。こういう構図を考えたモネは素晴らしいと思います。

「睡蓮」の額縁



 お土産の「睡蓮」のストラップとしおりです。ちょっと値段が高かったです。



 今まで何度もモネの作品展に行ってきて、「もう全部見たのかな。」と思っていたのですが、まだ見ていない作品があったことに驚きました。「素晴らしい作品をいっぱい残していてすごいな」と思いました。

 今度モネの作品展があったらまた行きたいと思います。

2024年12月9日月曜日

アレクサンドル・タローさんのピアノ・リサイタル

 エリーです。12月7日の土曜日に、アレクサンドル・タローさんのピアノ・リサイタルに行きました。場所は銀座のヤマハホールです。初めて行く場所だったので、駅からどうやって行けばいいのか分からず、交番で道を聞きました。ちょっと焦りましたが、なんとか開演30分前に着くことができました。


 席は1階で、前から5列目の右側の端っこです。とても良い席で聴くことができました。後ろの席でも同じ値段だったようなので、早めに決断してチケットを取って良かったと思います。「ピアノのリサイタルは演奏者の手が見える左側の席よりも、右側の席の方がピアノの音が良く聴こえる」と聞いたことがあるので、私はいつも右側の席を選んでいます。

 演奏が始まる前に、アレクサンドル・タローさんのCDを売っている場所がありました。CDを買えばリサイタルの後のサイン会でサインしてもらえるとのことでしたが、この時はCDを買おうかどうか迷いました。開演前で時間もなかったですし、とりあえず演奏を聴いてからにしようと思いました。


 今回のプログラムは

J.S.バッハ/

・ヨハネ受難曲BWV245より第1部 第1曲~合唱《主よ、われらを治めたまう主よ》<A.タロー編>

・シチリアーノ~フルート・ソナタ 変ホ長調 BWV1031より<A.タロー編>

・組曲イ短調BWV818a


A.タロー/

・コルプス・ヴォルビリスより抜粋


―休憩-


E.サティ/

・ジムノペディ第1番

・最後から2番目の思想

・エンパイア劇場のプリマドンナ

・グノシエンヌより第1、3、4番

・ジュ・トゥ・ヴ<あなたが欲しい>


A.タロー/

・フランスシャンソンの即興演奏

でした。


 最初のヨハネ受難曲は本来合唱曲なのですが、アレクサンドル・タローさんがピアノ用に編曲されたそうです。ピアノの音もきれいですし、深みのある演奏で素晴らしかったです。会場全体にピアノの音が響き渡る感じで、迫力がありました。

 この演奏を聴いて、私は「アレクサンドル・タローさんは歴史に残るくらいの大ピアニストではないか」と思いました。アレクサンドル・タローさんがこのヨハネ受難曲を編曲した楽譜を後世に残したとしても、同じくらい上手く演奏する人が出てこないのではないかと思います。本当に世紀の名演で、7500円のチケット代が安く感じられるくらいでした。

 このヤマハホールは客席が333席しかないそうです。私は「このチケットを取った333人しか聴けないというのがもったいないな。」と思いました。音響も良かったですし、とても演奏に引き込まれたからです。

 

 次の「シチリアーノ~フルート・ソナタ」変ホ長調 BWV1031は私の好きな曲で、とても良い曲でした。

 最初のヨハネ受難曲が良かったので、20分の休憩時間中にヨハネ受難曲の入ったCDを急いで買うことにしました。売り切れてなくて良かったです。


 休憩時間の後は、フランスの作曲家エリック・サティの曲でした。アレクサンドル・タローさんはフランスの方なので、こういう選曲をされたのかなと思いました。ベートーヴェンやショパンを演奏される方はたくさんいらっしゃいますが、サティを演奏される方はなかなかいらっしゃらないので、珍しい選曲だと思いました。

 私はサティのジムノペディ第1番が好きで、中学生の頃カセットテープが擦り切れるまで聴いた曲です。チケット代は高かったですが、この曲が聴きたくて迷わずチケットを取ったのです。演奏はリズム感が良くて、とても良い曲で良かったです。グノシエンヌ第1、3、4番も良かったと思います。

 最後の「フランスシャンソンの即興演奏」も良かったです。即興演奏とは事前に楽譜を見て練習しないで、その場で即座に楽曲を創作して演奏することです。良い曲で演奏も上手でしたので、事前に練習されていないとは思えませんでした。

 アンコールは3曲で、最初の2曲はあまり聴いたことのない曲で曲名は分かりませんでしたが、3曲目は「愛の讃歌」だったと思います。良かったです。


 サイン会ではCDを開封して、CDの解説書にサインしてもらいました。アレクサンドル・タローさんは、日本語で「ありがとう。」と声をかけて下さいました。せっかく日本語で話しかけて下さったのに、私はとっさのことで何も言えませんでした。それが少し心残りです。

 

 家に帰ってからCDを聴きました。「アレクサンドル・タロー ~ バッハ・タロー:トランスクリプション集」というCDです。「トランスクリプション」とは「編曲された曲」という意味で、バッハの曲がいろいろと編曲されているアルバムです。

 CDの3曲目の「ヨハネ受難曲」にも引き込まれますが、どちらかというと生演奏の方が良かったと思います。音響と迫力が違うのです。

 あと、このCDの4曲目ではリサイタルでも演奏された「シチリアーノ~フルート・ソナタ変ホ長調 BWV1031」が入っています。ピアノの音がきれいで演奏が美しくて、とても気に入っています。

 このCDの12曲目の「エア~管弦楽組曲 第3番 ニ長調BWV1068 (A.タロー編)は、私の好きな「G線上のアリア」をアレクサンドル・タローさんが編曲したもので、とても美しく編曲されています。私は聴きほれてしまいました。

 CD25曲目の、シャルル・グノーの瞑想曲(アヴェ・マリア)も美しかったです。

 アレクサンドル・タローさんは弾むような元気な曲より、静かで落ち着いたきれいな曲を演奏するのが得意なようです。詩的で抒情的な演奏をされる方なので、私の好みによく合っているのです。とても良いCDで、買って良かったと思いました。静かな曲が聴きたい方にお勧めです。


 今回のリサイタルは、今まで行ったコンサートの中で一番良かったと思います。演奏が忘れられないので、機会があればまた行きたいと思います。

 YouTubeでは「アレクサンドル・タロー ヨハネ受難曲」で検索すると出てくるようです。興味のある方は聴いてみて下さいね。